自然派ワインは繊細なため取り扱いに注意
自然派ワインを楽しむ際に注意したい点が、一般的にワインに比べて“繊細”であるところです。
自然派ワインは、天然酵母を使用したり、亜硫酸塩をできるだけ使わずに造った“ナチュラル”な仕上がりのワインです。
ワインにはさまざまな成分が含まれていますが、それは空気中の酸素に触れたり、さまざまな要因で容易に変化してしまいます。
それらを防止するために、一般的なワインは整えられ造られているのですが、自然派ワインの多くはそういった、外的要因に対向するためのアプローチがあまりされていません。
つまり、ワインにとってあまり良いとは言えない環境に出くわした時、一般的なワインに比べてダメージを強烈に受けてしまうワインということになります。
自然派ワインは、このように諸刃の剣的な造られ方をされている分、飲み手は繊細に扱うことが求められます。
勢いよく注ぎすぎないこと
前述したように、ワインは空気中の酸素と液体内の成分が結合することに、さまざまな酸化現象が起こり劣化が進みます。
特に自然派ワインはデリケートなため、酸素からは徹底して守ってあげる必要があります。
ボトルからグラスに注ぐ際、勢い良く注ぐことで液体が激しく飛び散り、酸素を多く含むことになります。
一部のワインの場合、こうすることで味わいを開かせる方法もあるのですが、自然派ワインに関しては酸素を含み過ぎてしまうと、グラスに注いでから味わいが大きく変化してしまうことがあります。
そのため、自然派ワインを注ぐ時は、ゆっくりとなめらかに注ぐように注意してください。
購入後2~3日は飲まずに保管する
自然派ワインを購入した後、注意したいのが『すぐに飲まない』ということです。
日本国内で造られている、自然派タイプのワインであれば良いのですが、輸入の自然派ワインの場合、船で赤道を通ったり空輸といった方法で日本国内に入ってきます。
当然、気圧・温度・振動などさまざまな厳しい環境をくぐり抜けてきているため、ワイン自体が安定しておらず、味わいが“こなれていない”可能性があります。
一般的なワインであっても、ある程度輸入方法によるダメージを受けてしまうので、それが自然派ワインであれば、なおさらと考えられます。
自然派ワインに限ったわけではありませんが、美味しく飲むのであれば2~3日置いて万全な状態で飲んでいただきたいと思います。
もちろん、ご自宅で飲むのであれば、保存環境にも注意しましょう。
温度変化に気をつけ、ワインセラーや野菜室で保管
前述しているように、自然派ワインはとても繊細なワインであるため、その保存方法には一般的なワイン以上に注意しなければいけません。
理想としては温度が一定であり、暗室で振動が無いワインセラーがおすすめですが、それらを保有していない方もいるでしょう。
そういった場合、冷蔵庫に保存すると思いますが、この冷蔵庫での保存方法も注意が必要です。
冷蔵庫で保存する場合、開け閉めを多くする場所に置いてしまうと、温度が上がったり下がったりするためワインにとっては非常に厳しい環境になってしまいます。
さらに、開けている時には光も強く、ドア部分に保存しておけば振動もあるため、酒質が安定しない恐れがあります。
屋外よりはマシですが、それでも自然派ワインの保存方法としては最適とは言えないでしょう。
どうしても冷蔵庫で保存したいという方であれば、暗所であり温度もほど良く一定に保たれている野菜室がおすすめです。
野菜室であれば、頻繁に開け閉めする場所ではなく、自然派ワインも安心して保存可能です。
ただし、自然派ワインは出荷されてから、やはり厳しい環境を経て店頭に並んでいるため、購入後は早めに飲んでしまう方が良いのではないでしょうか。